Archive for January, 2007
料理の鉄人とマクドナルド
料理の鉄人は北米だけでなく、オーストラリアでも大人気のテレビ番組。最初は鹿賀丈史が出ていた日本語放送の英語吹替版を放映していましたが、今や現地キャスティングで完全アメリカ版を製作し、Iron Chef America として Food Network の看板番組です。その人気番組中に挿入されたとするサブリミナル広告 でちょっとした大騒ぎ。サブリミナルを挿入した広告主はマクドナルド。画面が一瞬赤く光ったことを不審に思った視聴者がビデオを解析したところマクドナルドのサブリミナル広告が挿入されていたことが判明。挿入された広告はわずかに1フレーム。
サブリミナル広告の効果は科学的には証明されていないのですが、どこのテレビ局でも使用が禁止されている飛び道具。効果があったかどうかは知りませんが、料理の鉄人を見るようなグルメ名人がマクドナルドに心ときめくのか?ということを考えるとあまり効果がなさそう。
Apollo が DEMO に登場
参加することが既に名誉でもあるテクノロジー系スタートアップ企業の甲子園、DEMO Conference。TiVo、Palm、VMWare、Salesforce.com など今や蒼々たる企業も DEMO から始まりました。 今年の DEMO 2007 は1月30日から3日間、Palm Desert で。70社のプレゼンターの中には Adobe が名前を連ねています。巷の噂では Apollo がお目見えするのではないかと言われています。Adobe の既存製品のバージョンアップをデモする訳はなく、Apollo が登場するのは必須ではないでしょうか?(DEMO 2007 参加企業一覧)
DEMO のプレゼンテーションは持ち時間 6 分。必ずライブで動作させなくてはならず、モックアップやビデオなどで記録されたデモは禁止のガチンコ勝負。会場に入れなくても各デモの様子はビデオに録画されて後日公開されるの予定です。
他のスタートアップと違って VC からの投資を募集している訳ではない Adobe の狙いは当然パブリシティ。新しモノ好き VC やブロガー注目度の高いイベントでの効果は絶大でしょう。6分間で、どんなパフォーマンスが登場するのか楽しみです。
最新の Mike Chamber 氏のApollo プレゼンテーション、Apollo Presentation Slides Uploaded はこちら。
ご乱心
人生の一大イベントを前に緊張しているのはわかりますが、ちょっとやりすぎ。こういうのをパニックというのでしょう。結婚するダンナさんが今からかわいそう。
Brightcove いよいよ日本進出?

Brightcove が 3度目となる投資ラウンドでUS$56 Million(約67億円) を調達したというニュース。
CNET Japan インターネットビデオ企業Brightcove、ニューヨークタイムズなどから資金調達
今回は北米だけでなく、ワールドワイドな展開をするための資金取得のようです。出資者の中には New York Times の名前も。増資後の Brightcove の時価総額は US$220 million(約260億円、Brightcove worth $220 million)。日本だとマザーズに上場している Jストリームとほぼ同じくらいの時価総額で、上位40位には入る規模。
Jストリームといえば筆頭株主がトランス・コスモス。金額は明らかにされていませんが、今回の Brightcove の投資ラウンドC へ投資家として参加しています。 今後は当然トランス・コスモス+Jストリーム中心で日本での展開が始まるのではないでしょうか?
Brightcove で最近最もホットな映像コンテンツが、アメリカ史上初の黒人大統領誕生か?という渦中の人、オバマ氏が大統領選出馬表明した A Message from Barack Obama 。公開から 3 日間で14 万ビューというすごさ(平均で1分間に32人が同時にみている計算)。見る方も大変でしょうが、きっとサーバーも大変だったでしょう。先に大統領候補出馬を表明した John Edwards 氏のビデオが YouTube に上がっていて、12月27日公開で現在までのところ 11 万ビュー弱ということを考えると、バラク氏のビデオがいかにすごいかが伺えます。
ヒラリー・クリントンさんは強敵ですが、この勢いで一気に 24 のデビッド・パーマーを現実のものにしてほしいです。
Brightcove Raises $59.5M in Private Financing for Internet TV Company
Nikkei BP Net オバマ氏とは何者なのか?
ウィキペディア バラック・オバマ
発想の転換 DRM

StreamBurst はビデオの DRM を提供する英国の会社。”Stream” と名前に入ってはいるものの、VOD 用ではなくダウンロード向け。この会社、まったく新しい発想の DRM を開発し、それを使ってビデオコンテンツのダウンロード販売インフラを提供するというビジネスモデル。
StreamBurst の DRM を使えば、ビデオコンテンツにはコピー制限もなく、再エンコード可能、ダウンロードしたデバイス以外への転送も無制限自由。編集もできるし法律に触れない範囲であれば(おそらく個人的な利用に限ればという意味だと思いますが)何をしてもいいというまさに夢のような ビデオコンテンツの配信が可能。
気になるこの DRM の仕組みはというと・・・。映像フレームの中からランダムにピクセルを落として、欠落してるビットから誰が購入したのかを特定できるようになっています。また、ビデオのイントロには購入者の名前が5秒間挿入されることになっています。
『海賊版を探す、もしくは自分で DRM をはずす』 > 『ダウンロードで購入』
という不等式が成り立てばオンラインでのビデオコンテンツも成立するわけで、ウン億円をかけて開発された DRM よりはよっぽどまともにビジネスとして成り立ちそうです。コンテンツにいろいろと足して DRM を実装するという発想から、ピクセルを引くという逆の発想で実現。すばらしい逆転の発想です。
サタデーナイトライブ版 iPhone
いろいろと賛否両論で登場した iPhone。粗利益がどうとか、スピードが遅いとかその辺りのお話はその筋の方々にお任せするとして、iPhone 関連で一番気に入ったのは、NBC の Saturday Night Live に登場した Steve Jobs のパロディ。
なかなか彼の特徴をよくつかんでいて思わずニヤリ。
本人がどう思っているかは知りませんが、SNL に登場するということは、Jobs、Apple や iPhone がギークだけではなく、一般消費者の間でも十分認知されているキーワードであるということを証明するものでもあります。Apple Computer から Apple へと社名変更し、コンピューターブランドからホームエレクトロニクスブランドへと変身をもくろむアップルにとっては順調な滑り出し、と言えるのではないでしょうか?
Flash Player で Peer-to-Peer
セキュリティベンダーとして知られている VeriSign と Adobe の協業というちょっと変わったプレスリリース。ラスベガスで開催中の CES で発表された VeriSign の P2P プラットフォーム Kontiki と Flash Media Server とのインテグレーションに関する協業。Kontiki を武器に、映画や音楽コンテンツ配信事業への進出にしては後手に回ってしまった VeriSign。音楽や映画の配信事業を始めるとなるとハリウッドの映画配給会社やコンテンツをたんまり持っているメディア関連の企業と協業したり、共同でプレスリリースを行うことが王道ですが、今回のプレスリリースではちょっと変わった VeriSign の戦略が注目。
プレスの内容では技術的な細部にまで言及されてはいませんが、第一段として、次期バージョン Flash Media Server で VeriSign の Peer-to-Peer インフラ の機能が利用できる機能を追加するというもの。VeriSign の持つ CDN (Contents Delivery Network) で配信されるコンテンツ(ビデオ、MP3)が Flash Player で再生が出来るようになるのでしょう。そうなると、普及率 98 パーセント、700 万インストールを誇っている Flash Player のプラットフォームをそのまま P2P 配信アプリケーションに使うことが出来るようになるわけで、クライアントソフトの普及がネックとなるVeriSign は非常においしいディール。
P2P ネットワークを実現するためには、専用のクライアントアプリケーションをインストールしてもらう必要があり、エンドユーザーにとっては技術的ハードルが高いというのが現状でしょう。専用クライアントアプリケーションの開発、クロスプラットフォームの実現、OS 間の互換性の維持、サポートということを考えても、Flash Player をクライアントにするという発想はこの辺の頭痛の種を一手に解決してくれるおいしいお話。
一方、ハイデフビデオコンテンツを配信するためのインフラや、喉から手が出るほどほしかった DRM (Digital Rights Management) を手にすることが出来た Adobe は、 Flash Player のビデオ再生機能に続き、Peer-to-Peer 機能の追加で アプリケーション開発者、著作権ホルダーや大規模ビデオ配信企業向けにも魅力的なプラットフォームを提供できるというメリット。Apple iTunes や Amazon Unbox のようなアプリケーションを Flash で開発することができますよー、というメッセージが聞こえてきそうで、Adobe の思惑にもぴったり。
ソフトウェア普及率をテコにする Microsoft のお家芸をまねした戦略は結構大きなニュースだと思ったんですが、あまり取り上げられていない模様。ビデオ再生プレーヤーとビデオコンテンツ配信インフラを手に入れた Adobe。これからも普及率を武器にしたディールが続くのでしょうか?Flash Remoting でサーバーと Flash Player をつなげ、今度は VeriSign と協業して、Flash Player 同士をつなげてくるという離れ業の次はどんな手を仕込んでいるんのか楽しみです。
マッシュアップ + ビジュアライゼーション

Amazon と Last.fm の API を使ったマッシュアップ、tuneglue musicmap。アーティストの名前から検索していき、関連するアーティストをきれいなノードでビジュアル化してくれるのが特徴。制作は Onryo.com。
ノードの動きがなんか癖になる感じ。ビジュアル的美しさと機能性を兼ね備えたマッシュアップ + ビジュアライゼーション。マッシュアップはデータソースが複数になり、データをレイヤーみたいに重ねていくイメージなのか、視覚化に凝ったアプリケーションが多いです。データをレイヤーに分けて考えると、ビジュアル化されたアプリケーションが発送しやすくなるのかもしれません。
同じくノード型のデータビジュアライゼーションを実装している、musicmap。こちらもミュージック検索サイトですが、tuneglue はアーティストに対し、こちらはアルバムをノードにしているのが特徴。Amazon の API だけを使って実装されています。
マッシュアップではありませんが、データの視覚化ではマルコス氏の newsmap や Social Circles などがお気に入りです。2 年前に作られたとは思えないほど今っぽいアプリケーションに今更ながら脱帽。
2007 年 RIA 予想
Ryan Stewart 氏の 2006 RIA ニュース Top 10 に続き、2007 年の RIA の動きを予想した、10 Predictions for Rich Internet Applications in 2007。
1. Windows Vista 登場による新しいユーザーエクスペリエンスの標準
2. Adobe Apollo が思いの外健闘
3. Microsoft がデザイナー市場へ本格的に進出
4. デザイナー/デベロッパー間のワークフローに注目
5. Apple が RIA 市場へ進出
6. オンラインビデオテクノロジー市場が加熱
7. Flex が RIA の重要な開発プラットフォームになる
8. 普及率で WPF/E が Apollo を抜く
9. Mozilla と Apollo が Ajax 開発者の取り合い
10. OpenLaszlo が オープンソース開発者を RIA の世界へと導く起爆剤に
という感じ。
個人的には、Apollo と WPF/E が普及する年になり、Widget マーケットが本格的にヒートアップしそうな感じ。Adobe が Macromedia と合併したときに 『Vista は 2 年先まで出てこない』といっていた 2 年が経ってしまったとこになり、時間的なアドバンテージがタイムリミットになる年。加えて、Google や Yahoo! などのウェブ系、ポータル系の流れをくむ Widget も更に加速することになり、各社の Widget を取り巻く戦略から目が離せないところ。
後半は、圧倒的なデスクトップ OS のシェアを活かした量的な作戦で、一気に Widget メインプラットフォームに躍り出る Microsoft を他が追随するという形になりそう。デスクトップアプリケーションとウェブアプリケーションの境目がきわどい、新しいキラーアプリケーションが登場しそうな予感。それに伴って、新手のマーケティングや広告プラットフォーム、アクセス解析ツール、コンテンツ管理ツールなどが登場してくるのではないでしょうか?開発はクライアントを意識しない SOA がデフォルトになりサーバーサイドとクライアントサイドの専業化や分業化が進むのかなーと。
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