Sparkle vs. Flash
昨日発表された Microsoft Expression Suite の一つ、Interactive Expression Designer(コードネーム Sparkle) が Macromedia Flash にとって競合となるのかを考察した、Sparkle vs. Flash。両製品をテクノロジー的な側面から比較している興味深い記事です(スクリーンショットを見る限り、Sparkle と Flash よく似ています)。
この記事の筆者 Matthew David 氏によると、
Sparkle は、
Flash にはない 3D の機能で、高い表現力を提供。
XAML と C# によるプログラミングモデルで Windows .Net だけでなく、SQL サーバーやデバッグツールとの親和性を提供
Flash:
Windows, Mac, Linux, Mobile と幅広いプラットフォームのサポートとユビキタス性
今すぐに実現可能なソリューションを構築できるプラットフォームとしての一日の長
と言っています。
Microsoft で Sparkle の開発に携わっていた、John Meyer 氏は自身のブログで、Sparkle の登場によって、Flash はビデオ、アニメーション、広告という狭い世界に限られたプラットフォームになり、その重要性が降下していくと言っています (Microsoft Expression Sparkle finally announced)。今後 3D 関連の機能が強化されることがあっても、OS のネイティブコードにアクセスできるようになることが考えにくい Flash は、アプリケーションプラットフォームとして Sparkle にはかなわないということをいいたいようです。
しかし、Flash は Windows ネイティブアプリケーションを作るためのものではなく、Web アプリケーションのプラットフォームであり、Windows アプリケーションも作れるし、Web アプリケーションも作れるという Microsoft の戦略とはちょっと外れています。Microsoft はこれまでも VB, VB.NET, C# でネイティブアプリケーションと Web アプリケーションを同じプログラミングモデルで開発できることを売りにしてきましたが、Windows Presentation Foundation (WPF) がどれくらい Windows 以外のプラットフォームにコミットされるのかを、Microsoft のこれまでの歴史的事実から考えると、ActiveX で懲りたことをまた繰り返そうとしているような感じさえします。
いずれにしても、両製品の競争が激化することは必須で、開発する側に取ってはこれまでのアプリケーション開発の中ではおざなりになりがちであった、「インタラクティビティデザイン」という要素を無視できなくなりそうです。
Sparkle では XAML と C# でインタラクティビティを実現しますが、この部分を誰が開発していくのか、今の開発チームの中からインタラクティブデザインをこなす才能を見つけていくのか、それとも、インタラクティブデザインを専門に行う人材を見つけ、XAML+C# をマスターしてもらうのか、いずれにしても、そのような人材が開発コストを圧迫しないバジェットで見つけられるようになるには 2006 年後半の Windows Vista リリースから更に時間がかかるのではないかと思います。Microsoft がいうように、Microsoft Expression スイートで開発者とデザイナーのコラボレーションが実現されるのはそう簡単なことではないような気がします。