Ajax Extending AJAX with Flex でちょっと Ajax と Flex のインテグレーションについて書いてみましたが、続編ということで学校のリサーチで分析した Ajax の SWOT を投稿。

Ajax の長所、強み

その 1、ビジネスユーザー vs. 情報システム部門
Web アプリケーションがもたらすベネフィットはビジネスユーザー、コストは情報システム部門が持つという構図のなかで、Ajax は両者のかゆいところにちょうど手が届くもの。ユーザビリティを追求するビジネスユーザーとコストを追求する情報システム部門のスイートスポットに現時点で最もフィットしているのが Ajax。

Flex は Flash をベースにしているというところもあり、Flash のイメージが先行してしまい、特に情報システム部門では軽視されている傾向があります。北米、ヨーロッパでは決裁権を持つ 約 5% の ビジネスユーザーしか Flash をエンタープライズアプリケーションの開発プラットフォームとして認知していないというデータもあります(Business Technographics November 2005 North American And European Enterprise Software And Services Survey)。

その 2、オープンなソリューション
Ajax はオープンなテクノロジーをベースにしているため、ベンダーロックインがない(または、ないと思われている)。テクノロジーというよりは開発パターンとも言えるので自由度が高い。クライアントランタイムもブラウザのみ。その気になればテキストエディタだけで開発可能。

Flex はベンダーソリューション、しかもシングルベンダーソリューション。

その 3、ブラウザーサポート
Ajax はプラグインいらず。ほぼメジャーなブラウザでサポートされているテクノロジーをベースにしている。とはいえ、ブラウザやプラットフォームの非互換を吸収するのは時間と手間がかかる場合もあり。

Flex は Flash Player があるところであればクロスプラットフォーム、クロスブラウザを実現。モバイル、非 PC デバイスでも使えるプラットフォーム。

RIA ではちょっと一歩リード感のある Ajax ですが、弱点もない訳ではなさそうです。

Ajax の短所、弱点

その 1、オープンそうに見えても、オープンではなくなる可能性もある。
Ajax のベースとなるテクノロジー、HTTP、JavaScript、HTML などはオープンスタンダードですが、オープンなテクノロジーの上に創られたものがオープンであるとは必ずしも限らない訳で、実際 Ajax の開発ツール、ライブラリ、フレームワークやランタイムを出している会社はいくつかありますが(BackbaseJackBeTIBCO)、どこもツールはプロプライエタリでロックオンに近い状態に陥ります。J2EE で起きた現象と同じことが Ajax にも起きる可能性がある。

その 2、Ajax は標準化されていない。
Ajax は開発、デザインパターンでありテクノロジーではない位置づけにいます。ネットワークコミュニケーション、イベントモデル、クライアントデータモデル、ビジネスロジックの組み合わせによって実装される Ajax。アプリケーションを開発しようと思ったときにいくつかの方法がありますが、ベンダーに頼るにせよ、自前でゼロから構築するにせよ、標準化されてないという点はちょっと大掛かりな投資には向かないでしょう。しいては、様々なフレームワークの中で互換性のあるコンポーネントができないというとこにもなります。Ruby on Rail のコンポーネントを Backbase や TIBCO などのフレームワークで流用することができないばかりでなく、コンポーネント流通のマーケットプレースが育ち難いという点があります。

その 3、HTML の枠にとどまっている。
いかに Ajax を使ってもブラウザ+ HTML がプラットフォームであることに変わりはない訳で、デスクトップのとのインテグレーション、マルチメディア、アニメーション、リアルタイムイベントパブリッシュ/サブスクリプション、サーバープッシュ、音声、ビデオなどを使用したい場合には Ajax 以外に目を向けなくてはならない。

その 4、アクセシビリティ。
会社や国によっては、マウスだけではなく、キーボードオペレーションや、スクリーンリーダーへの対応が必須。アクセシビリティサポートは集団訴訟にもなりかねない必須事項。北米のリテールや公官庁などでは頭の痛い問題。

今後は・・・。
Web 2.0 や VC などのサポートを追い風に、Ajax の勢力がこのまま拡大していくのは必須。Ajax ツール製品、ランタイムエンジン、フレームワーク市場がこのまま大きくなれば、今後は 新しい標準団体が立ち上がったり、W3C とかが動き出して、Ajax の標準化が始まるのではないかと予想しています。Ajax 1.0 とか、Ajax コンポーネントの仕様とかもできるでしょう。そうなると、HTML や CSS のように サポートしている Ajax のバージョンをうたったブラウザとかもでてきたりするのかなーとも考えています。

エンドユーザーとしては ユーザビリティとかにもっと関心と投資が集まってくれて、インターネットアプリケーションがもっと使いやすい Web アプリケーションへと進化してくれることを望みます。Flash 99% Bad という Jakob Nielsen の有名なレポートをまねて、 Ajax 99% Bad というのがでていますが、ようは Flash だからだめとか Ajax だからいいというのではなく、ユーザービリティのために何を選ぶのかという原点を見つめてほしいと思います。

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  1. まってましたです。この記事。
    結局はどちらもユーザービリティをどうするかというための選択肢のひとつってことで。
    そのための比較としてとってもわかりやすいでーす。

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