ビデオでレジュメ・・・、その結末は。
その昔(まだ、僕が大学生の頃)アップルジャパンの募集にハイパーカードで履歴書を作って採用された学生がいたとかいないとか聞いたことがありますが、インターネット時代の昨今、ビデオで履歴書を作って配布した、学生が登場。イェール大学のAleksey Vayner 君(タイトルは、Impossible Is Nothing)。
投資銀行家になりたくて、ニューヨークの投資銀行にビデオリンク入りの履歴書を送ったところたちまち話題に。ビデオは履歴書というよりは セルフプローモーションビデオ。ニューヨーク中の投資銀行から投資銀行へとメールがフォワードされまくりで、24 時間以内にはニューヨーカー投資銀行家の笑いのネタに。いろんなブログにまで取り上げられるようになってしまいました(IvyGate)。
ところが問題は彼の履歴書の中身。有名になってしまった分、その内容に対する真偽がシビアに問われてきました。履歴書についているデリバティブを使ったヘッジに関する論文はパクリだったり、慈善団体のチェアマンをしていたことをでっち上げたりと経歴詐称と呼べるほどかわいいものではなく、もう犯罪の域に。イェール大学を除籍にするべきだ、なんてことを言い出す人も出てくる始末。
挙げ句の果てには、幼少の頃にはチベット、ウズベキスタンで過ごし、CIA と マフィアに雇われてアメリカにやってきたとか、インストラクターとしてハリソンフォードやサラミシェルにテニスを教えていたとか、世界第 2 位の格闘技かだとか・・・、ここまでくるともう虚言癖。
極めつけは、彼のことを書いているブログに、ビデオや写真の掲載を取りやめる抗議文を送りつけていますが、それもGoogle で検索した一番最初に出てくるサンプルメールをコピペしているだけ、と笑いのネタには事欠きません。
北米は 9、10、11 月が学生に取っては就職活動のピーク。人気投資銀行ともなれば一日に一つのポジションに 1000 通の応募があるのは当たり前。職務経歴書は 1 枚で書くという慣習まであるくらい応募の殺到する業界。ここまでアテンションがもらえれば御の字でしょう。そこまでしても投資銀行家になりたいという熱意だけは伝わってきます。