セキュリティベンダーとして知られている VeriSign と Adobe の協業というちょっと変わったプレスリリース。ラスベガスで開催中の CES で発表された VeriSign の P2P プラットフォーム Kontiki と Flash Media Server とのインテグレーションに関する協業。Kontiki を武器に、映画や音楽コンテンツ配信事業への進出にしては後手に回ってしまった VeriSign。音楽や映画の配信事業を始めるとなるとハリウッドの映画配給会社やコンテンツをたんまり持っているメディア関連の企業と協業したり、共同でプレスリリースを行うことが王道ですが、今回のプレスリリースではちょっと変わった VeriSign の戦略が注目。

プレスの内容では技術的な細部にまで言及されてはいませんが、第一段として、次期バージョン Flash Media Server で VeriSign の Peer-to-Peer インフラ の機能が利用できる機能を追加するというもの。VeriSign の持つ CDN (Contents Delivery Network) で配信されるコンテンツ(ビデオ、MP3)が Flash Player で再生が出来るようになるのでしょう。そうなると、普及率 98 パーセント、700 万インストールを誇っている Flash Player のプラットフォームをそのまま P2P 配信アプリケーションに使うことが出来るようになるわけで、クライアントソフトの普及がネックとなるVeriSign は非常においしいディール。

P2P ネットワークを実現するためには、専用のクライアントアプリケーションをインストールしてもらう必要があり、エンドユーザーにとっては技術的ハードルが高いというのが現状でしょう。専用クライアントアプリケーションの開発、クロスプラットフォームの実現、OS 間の互換性の維持、サポートということを考えても、Flash Player をクライアントにするという発想はこの辺の頭痛の種を一手に解決してくれるおいしいお話。

一方、ハイデフビデオコンテンツを配信するためのインフラや、喉から手が出るほどほしかった DRM (Digital Rights Management) を手にすることが出来た Adobe は、 Flash Player のビデオ再生機能に続き、Peer-to-Peer 機能の追加で アプリケーション開発者、著作権ホルダーや大規模ビデオ配信企業向けにも魅力的なプラットフォームを提供できるというメリット。Apple iTunes や Amazon Unbox のようなアプリケーションを Flash で開発することができますよー、というメッセージが聞こえてきそうで、Adobe の思惑にもぴったり。

ソフトウェア普及率をテコにする Microsoft のお家芸をまねした戦略は結構大きなニュースだと思ったんですが、あまり取り上げられていない模様。ビデオ再生プレーヤーとビデオコンテンツ配信インフラを手に入れた Adobe。これからも普及率を武器にしたディールが続くのでしょうか?Flash Remoting でサーバーと Flash Player をつなげ、今度は VeriSign と協業して、Flash Player 同士をつなげてくるという離れ業の次はどんな手を仕込んでいるんのか楽しみです。

Adobe プレスリリース(英語)

VeriSign’s Media Play

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